北九州のDELSOL CAFEさんで、オルティンドー歌手の三枝彩子さんとバイオリンの谷本仰さんのお二人による素晴らしいライブがありました(2023年12/14)→
公演直後に、お二人それぞれが「歌と伴奏」についてブログに書かれてたのがとても素晴らしいのでシェアします。
■谷本仰さん・・・「支える」「伴奏する」ということについて
http://blog.livedoor.jp/aogoomuzik/archives/52613639.html
■三枝彩子・・・馬頭琴あるいは伴奏との関係など
https://utanoho.blog.jp/archives/22907872.html
馬頭琴にとって、民謡の伴奏は重要な役割の一つです。
特に「オルティンドー」(ノンリズムで朗々と歌われるモンゴル民謡の一大ジャンル)での歌と馬頭琴は、同じ旋律をゆるやかに共有していく響きがとても美しいです。馬頭琴弾きにとっても、歌との間合いを計りながらの伴奏は特別楽しい時間なのです。
いわゆる「民族音楽」には、ユニゾンの合奏~みんな同じメロディを弾く~がけっこうありますね。モンゴル民謡では歌と馬頭琴が、日本の民謡では歌と尺八が、アイリッシュのセッションではいろんな楽器が、せーの!で同じメロディを奏でます。
でも全員が同じことしてるわけではないんです。実は一人ひとりこっそりと違うことしてたりします。好きなタイミングで装飾音を入れたり、ちょっと音を伸ばしたり、早めに次に移ったり、歌いまわしが違うこともよくあります。音を出さずに待つというのも大切なアプローチ。あと極端な例では、最後まで別の調で弾ききった強者がいたという噂も…
こうしたユニゾンは、同じメロディという制限の中での同質と異質の調和がとても楽しい。
オルティンドーの場合は、歌い手が先に進んで、馬頭琴は後を追うのが基本ですが、どれぐらい離れて追うかの自由度はとても難しくもあり、また楽しくもあり。歌を聴きながら「もうちょっとここにいたいなあ」みたいにわざと歩をゆるめたり、(和音が生まれるのを待って道草食うのがマイブーム)、音程やフレーズによっては先回りのエスコートも。歌手も声を伸ばしながら馬が追いつくのを待っててくれたり。
別の見方をすると、ひとつのメロディに対して、それぞれが別の時間の進み方を持っている。 相対論では固有時とか言ってたな。アインシュタインにも聞かせたかったね、オルティンドー。
というわけで3月に、北九州にて、三枝さん・谷本さんとご一緒します。どうぞお楽しみに!
日時 | 2024/3/10 (日) 19:00 (開場は30分前) |
会場 | DELSOL CAFE 北九州市八幡東区前田3-10-26 電話 093-662-2013 |
料金 | 2,500円 +ドリンクオーダー |
出演 | 三枝彩子(オルティンドー) 谷本仰(ヴァイオリン) 嵯峨治彦(馬頭琴・喉歌・ドシプルール) |
問合 | 電話 093-662-2013 (デルソルカフェ) |
2021年札幌でのコンサートの動画はこちら。ぜひご覧ください;