「深い海」はモンゴル民謡の一曲で、生きとし生けるものを讃える歌です。
カンテレ奏者あらひろこさんと私のデュオ RAUMAでも演奏し、アルバムのタイトルにもさせていただいた大切な曲です。
私がこの歌を知ったのは、モンゴル民謡「オルティンドー」の歌手・三枝彩子さんとのライブでした。その後もご一緒するたびに、この曲をレパートリーに入れています。
「深い海」の歌詞を、三枝さんはこう訳してくれました。
深い海はたっぷりと
たたえた水があふれんばかり
世界中の生き物が
幸せに暮らしますように
RAUMAの「深い海」をマスタリングしてくれた、エンジニアの故・高橋卓二さんも、この詞に感動されていたのを思い出します。
海のない国に伝わる海の歌。。。遊牧民が想いを馳せる「海」とは、いったいどんな世界なのでしょう。もしかしたら、島国に暮らす我々が想いを馳せる「草原」の世界と、どこかでつながっているのでしょうか。
さて、先日ウェブで配信された「第13回さっぽろ馬頭琴ナーダム」では、part1~part5の最後の演目として、音楽と写真のセッションとして、この「深い海」を演奏しました。写真は西村幹也さん。演奏は星直樹さんのギター、あらひろこさんのカンテレと、私の馬頭琴です。(下の動画)
西村さんも原詞にさかのぼってこの曲と向き合い、二十年以上続けている現地フィールドワークで撮りためた写真の中から厳選した作品を並べてくれました。動画のテロップで紹介される西村さんの訳もまた、この歌の世界をしっかりと伝えてくれます。(二人の畏友がそれぞれ訳した詞に触れることができてうれしいですし、そのニュアンスの違いもとても興味深いです。)
収録会場はおなじみ琴似の「アミカ」さん。スクリーンに投影される写真を見ながらの演奏。短いインプロビゼーションで始まり、そのあとカンテレの独奏から「深い海」が始まります。
それではどうぞごゆっくりお楽しみください。。。
動画の1曲目の「フレン」、2曲目の「カルダク・ハマル峠」もぜひどうぞ!