マガリア/野花南
2006年11月19日リリース
¥2,500(税込)
[SORAKUMO-0614]
※売り切れ
馬と人間の織りなすファンタジーを、モンゴル~ハカス(シベリア)の遊牧民の歌や、様々な民族楽器のサウンドで彩って、「曲がり家」に詰め込みました。
田中孝子 [語り、ギターほか] と 嵯峨治彦 [喉歌、馬頭琴ほか] のデュオ「野花南」が、7年間のライブ活動で育んだ人気の演目に最新作を加えてついにアルバムをリリース。ドリームランドとしての東北アジアに思いを馳せる一枚です。
収録曲
- 幾千の丘へ
- 四歳の赤毛の馬
- いとぐるま
- 『 私と小鳥と鈴と 』
- フレン
- ぱかじゃあ
- 『 林と思想 』
- 鬼火のビエルゲー
- 西の草原の子守歌
- 星めぐりの歌
- 『 スフと白馬 』 <前>
- ~モンゴル民話 <後>
- 夢雨
- 『 おしらさま 』 <前>
- ~東北地方民話 <後>
- 幾千の丘から
レビュー
モンゴル音楽(馬頭琴・ホーミー)と日本語の語り。そんなフレームだけ聞いた段階では、「みんなのうた」的にものわかりのいい(よすぎる)アルバムを予想していたのだが、さにあらず。遊牧民をイメージさせる”駆ける”リズムと、日本人なら身におぼえのある”1拍子”的な「謡い」の感覚がきめこまやかに交錯する、なつかしくも新鮮な世界が展開されていた。語りを舞台女優でもあるたなかたかこ、馬頭琴とホーミーを嵯峨治彦が担当。
ハカス民謡(というのがあるのですね)を嵯峨がアレンジ、日本語詞をたなかと嵯峨、二人で共作したという⑥(=「ぱかじゃあ」)には、ザップ・ママが得意としていたアフリカ輪唱に通じる感覚も。ほぼノン・リズムで歌われる③(=「いとぐるま」)も、対照的な作風ながらおもしろい。詩や民話の朗読の部分には、正直、ひるむところもあったのだが、声と弦とが織りなす”絡み”の妙に気づくにつれ、忘れられない1枚に。
/真保みゆき(ラティーナ 2006年6月号)
野花南は昨年8月号本欄で取り上げた二人組タルバガンの片割れによる別ユニット。モンゴル原産の喉歌と馬頭琴をやりながら女性ナレイターとでホンワカした童話的な世界を展開する。いつも言うとおりぼくは喉歌が嫌いだが、その生理的に異様な音を誇示せずに、童話的世界の中にソッと潜ませるこの試みはとても有効で面白い。
/中村とうよう(ミュージックマガジン 2006年6月号)